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いしふくコラム

【相場情報】2022年の金相場を振り返る

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2023年02月28日

国際的にドル建てで取引されている金について、日々海外相場を注視し当社の原材料を仕入れている資材購買担当者から見た2022年の相場概況をご案内します。

プラチナについては、こちらの記事でご紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。

2022年金相場・為替の推移

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ロシアによるウクライナ侵攻で急伸した金価格

年初1,809.5ドルでスタートしたロンドン金相場は、ロシアによるウクライナ侵攻が報じられると2月下旬に急伸しました。3月に入ると各国の対露経済制裁が強化され、8日には年内最高値の2,039.05ドルまで上昇しました。

両国の停戦交渉進展の報道から1,930ドル台近辺まで下落する局面もありましたが、4月に入り情勢の深刻化が徐々に明らかになると、中旬には1,980ドル付近まで値を戻しました。

利上げにより下落、軟調に推移

4月後半にかけては、米FRBによる利上げ観測の台頭や中国のゼロコロナ政策継続に伴う同国経済の停滞からドルへ資金が集まり、1,900ドルを割り込みました。地政学的リスクへの懸念は依然として根強かったものの、FOMCでの利上げ決定を受け、6月下旬にかけて1,810ドル台まで下落しました。

7月に入ると欧州のエネルギー供給問題や低調な経済指標を受けて対ユーロでドルが上昇し、中旬にはさらに1,680ドル台まで値を下げました。8月には米下院議長の台湾訪問や米労働指標の悪化を受けて買い戻される場面もありましたが、利上げ継続の見方は根強く、9月末にかけて1,620ドルを割り込みました。

米国経済指標を眺め、値を戻して越年

10月に入り、低調な経済指標を受けて1,700ドル台まで急騰しましたが、堅調な雇用統計を眺めて月半ばにかけて1,650ドル台まで徐々に水準を切り下げました。その後、英国トラス新政権の経済政策による混乱や欧州経済への不安感から上昇に転じる局面も見られました。それも長くは続かず、底堅い米国経済指標やFRB高官らの積極的な金融引き締め継続への姿勢が材料視され、10月末に1,640ドル付近まで再び下落しました。11月にはFOMCでの4会合連続となる大幅な利上げ決定に加え、パウエル議長があらためてタカ派姿勢を示したことで、年内最安値の1,620.65ドルまで圧迫されました。

11月に発表された10月の雇用統計では失業率の上昇が示され、それまで利上げ継続の予測を裏付けていた堅調な労働指標が軟化しました。これが利上げペース鈍化の予測を誘い、11月半ばに1,780ドル台を回復しました。12月には日銀の長期金利操作の許容変動幅引き上げの表明でドルが急落しました。前月の消費者物価指数の伸び率鈍化も相まって1,820ドル台まで上昇すると同値近辺での揉みあいが続き、年内の取引を終了しました。