[an error occurred while processing this directive]
いしふくコラム

【志田富雄氏】日本経済新聞で貴金属情報を見るポイント

  • #貴金属投資の基礎知識

2026年01月05日

いしふくコラムでは、読者の皆様への情報提供の一つとして、2025年より貴金属に関する四方山話や相場解説などを専門家に執筆いただきます。 専門家の深い知見に触れ、貴金属への興味・関心を持っていただければ幸いです。

今回は、経済コラムニスト志田富雄氏にコラム「日本経済新聞で貴金属情報を見るポイント」を執筆いただきました。

日本経済新聞で貴金属情報を見るポイント

執筆日:2025/12/25

ルーツは150年前に創刊された中外物価新報

読者のみなさん、明けましておめでとうございます。2026年最初のコラムになります。今回は私が長い間働いていた日本経済新聞社と、貴金属情報が多い商品面やグローバル市場面、日経電子版の見方について解説しましょう。最新の記事をまとめて耳で聞く「ながら日経」など意外なサービスもあります。

私が日本経済新聞社に入社したのは1983年でした。最初の配属は東京編集局証券部。上場企業の財務・収益や株価の動き、当時は国債などの債券市場も証券部の記者が担当していました。3年目の夏にロンドン支局(後の欧州編集総局)に赴任し、そこで初めて金や原油などのコモディティー(商品)市場を見ることになりました。ロンドン支局は当時のフィナンシャル・タイムズ本社(セントポール大聖堂の前)内にありました。プロフィールでも触れていますが、ロンドン金属取引所(LME)で「すず危機」が起き、北海ブレント相場が一時1バレル10ドルを下回る急落劇にも遭遇しました。商品市場との衝撃的な出会いでした。

私はロンドン市場の株式や為替、商品相場の動きを取材し、原稿をファックスで送りました。入社数年は原稿用紙にサインペンで原稿を書き、指には「ペンだこ」ができました。帰国してワープロでの入力に変わり、パソコンが配備されたのは90年代に入ってからです。時代の変化ですね。帰国後3年余りは英文日経の仕事に携わり、次に配属されたのが商品部です。当時は担当記者や編集委員、商品面の編集にあたるデスクが東京だけでなく、大阪商品部にもいました。記者は担当する分野によって「先物」(貴金属などの国際商品)、鉄鋼や石油化学製品などの「産業素材」、コメや生鮮などの「食品」、人材派遣などの「サービス」というグループに分かれていました。

日本経済新聞のルーツは、1876年(明治9年)に創刊された「中外物価新報」で、今年は創刊150年の節目になります。国内外の商品相場を取材して報じる商品部記者は日経の歴史的な仕事をしているわけです。現在は組織変更によって商品部という部署はなくなり、金融・市場ユニットに多くの記者が配置されています。

現物の動きは商品面、国際市場の動きはグローバル市場面に

朝夕刊の紙面や取材する商品も時代とともに変化しています。日経本社内には資料室があり、古い時代の紙面も縮刷版として保存してあります。私が入社する前の商品面にはどんな記事があったのかな?と見たことがあります。鉛筆や梅干しの市況を伝える記事もありました。昔は鉛筆が大量に生産、消費され、コモディティーとして市況も変化していたのでしょう。

鉄鋼や石油化学製品などがどれくらいの価格で取引されているかを売り手、買い手、流通企業に取材し、「相場」を見つけることは商品部記者の重要な役割です。国内外の取引所で取引されている先物の相場は取引所で決まります。ところが、現物市場で鉄鋼などがどれくらいの価格で取引されているかは、すぐに分かりません。売り手はなるべく高い値段で売りたいし、買い手は安く買いたい。取材を通じて中心相場を見つけなければならないのです。探り出した相場は日経独自のコンテンツになります。それを朝刊商品面の相場表に掲載(掲載頻度でデイリー、ウイークリー、マンスリー品目があります)するほか、日経商品指数として算出、公表します。商品指数の解説はまた別な機会にしたいと思います。貴金属の現物価格(大口需要家渡しと小売価格)もこの相場表に掲載されています。

以前は国際商品の動きを伝える記事も多くが商品面に掲載されていました。その後、グローバル市場面ができ、国際商品の記事はこの面が中心になりました。もちろん、大きな動きがあれば1面や総合1〜2面に掲載されます。また、前日の欧米市場の商品相場や指数は夕刊のマーケット・投資面に掲載されます。

日経電子版は「マーケット」や検索で貴金属情報

朝の通勤電車内の風景も昔とは変わり、日経の記事もスマホやタブレット端末で読む人が多いと思います。スマホなどを使い、日経電子版で貴金属情報を探す時は、一番上にあるジャンルの中からマーケット→商品とたどれば、貴金属を含む商品関連のニュースが出てきます。金、銀などの単語で検索する方法もあります。「Myニュース」のコーナーでこうした単語をキーワードに登録するのもいいでしょう。新聞のように見落としてしまうことがなく、関連記事やおすすめ記事が出てくるのも電子版の便利さです。日経電子版に限らず、ネット上に公開された記事はいつまでも残り、皆さんの検索の対象になります。私のような書き手にとっては本当に大きな変化です。

日経電子版は「マーケット」→「商品」で商品ニュースが一覧できます(12月17日)

日経電子版では「Think!」の青いワッペンの付いた記事もあると思います。これは社内外のエキスパートがコメントをつけた記事です。コメントが入ると記事にワッペンが付く仕組みになっています。私は「Think!」が始まった時からエキスパートをしていて、現在は日本メタル経済研究所特任アナリストの肩書きでコメントしています。「Think!」の付いた記事から読み始める人も増えており、貴金属関連の記事には積極的にコメントしています。

日経電子版の主要な最新記事をまとめて耳で聞く「ながら日経」(ラジオNIKKEI)というポッドキャスト配信サービスもあります。他の事をしながら、あるいは混んだ電車の中でも便利なことで若い人に人気です。日経電子版以外では、投資情報を深掘りする日経ヴェリタスという媒体もあります。コラムの「コモディティー・インサイト」には、いしふくコラムの執筆者である池水雄一さん(日本貴金属マーケット協会代表理事)はもちろん、国際ビジネスコンサルタントの高井裕之さん、マーケット・リスク・アドバイザリーの新村直弘共同代表、住友商事グローバルリサーチの鈴木直美シニアアナリストなど貴金属市場でもお馴染みの方々が寄稿しています。私も執筆陣の一人です。

金・銀・プラチナのご購入は石福金属興業ネットショップで
石福金属興業ネットショップ
画像をクリックすると石福金属興業ネットショップへ遷移します
本コラムをお読みいただくにあたって
  • 本コラムは貴金属に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・勧誘を目的としたものではありません。
  • 本コラム掲載の文章は、全て執筆者の個人的見解であり、当社の見解を示すものではありません。また、文章の著作権は執筆者に帰属しており、目的を問わず、無断複製・転載を禁じます。
  • 本コラムの情報を利用したことにより発生するいかなる費用または損害等について、当社は一切責任を負いません。実際の投資などにあたってはお客様ご自身の判断にて行ってください。
  • 掲載内容に関するご質問には一切お答えできませんので、あらかじめご了承ください。