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いしふくコラム

【池水雄一氏】円建てゴールド価格の歴史

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2025年09月10日

いしふくコラムでは、読者の皆様への情報提供の一つとして、2025年より貴金属に関する四方山話や相場解説などを専門家に執筆いただきます。 専門家の深い知見に触れ、貴金属への興味・関心を持っていただければ幸いです。

今回は、貴金属スペシャリストの池水雄一氏にコラム「円建てゴールド価格の歴史」を執筆いただきました。

円建てゴールド価格の歴史

執筆日:2025/09/07

円建てゴールド価格の歴史

今回は円建てゴールドの歴史をみてみましょう。現在円建てゴールドは歴史的高値の更新を続けており、9月5日につけた17,048円がこの原稿を書いている現在の歴史的高値になっています。1971年のニクソンショックにより、変動相場制が始まって以来の円建てゴールドの相場は、1グラム460円から始まりました。そしてこの460円はそれ以降二度とつけることはありませんでした。

下のチャートでみていただければ、1979年から1980年、ソ連のアフガニスタン侵攻と第二次オイルショックにより、ドル建てゴールドが850ドルまで急伸したときに、円建てゴールドも4,800円近辺まで急騰しました。この1980年の4,800円はその後2019年までのほぼ40年間決して破れなかった高値となりました。この期間にはゴールドは円高とともに下落基調となり2000年には1,000円を割り込むまで下げました。ドル円はこのころは100円飛び台で最も円高になったのは2011年10月31日の75円30銭というが円高の最高記録です。円建てゴールドはドル建てゴールドとドル円から計算されます。当然円高になると円建てゴールドにとっては下げ要因になりますが、円高=ドル安で、それは逆にドル建てゴールドの上昇要因となるため、円建てゴールドは相殺されて動きづらくなります。しかし、この史上最高の円高の時の円建てゴールドは3,500円程度と円高の割には大きくは下げていない印象です。

その後も100円以下の円高がしばらく続きましたが、円建てゴールドは上昇傾向でした。2011年から2019年までゴールドはほぼ4,000円台半ばのレベルが続きました。急激に上がり始めたのは2019年後半から。5,000円から17,000円までほぼ5年で上げて過去これだけの上げはありませんでした。最大の原因は世界の多極化からの米国一強の時代が終わりを告げ、特に新興国の間でのドル離れが加速したことでしょう。この動きはトランプ政権化さらにそのスピードを増しています。ゴールドの上昇が決して一時的ものではなく今後も続いて行くことはこの原因を考えるだけでも十分でしょう。

(円建てゴールド価格とドル円の歴史)

円建てゴールド価格と消費税

円建てゴールドにはもう一つ重要なポイントがあります。それは消費税です。ここまでの話はすべてインターバンクつまり税金など関係ない円とゴールドの為替だと考えればいいでしょう。日本の国内の価格となると、実際に現物を買うとすれば、ゴールドにも消費税がかかります。これは国際的には極めて希なケースであり、普通はゴールドは「マネー」という側面を重視することから付加価値税はかけません。お金に消費税がかかっているような感じです。そのため日本では消費税分だけ世界よりもゴールドが高くなっています。そのレートは1988年から3%、1995年には5%、2014年には8%、そして2019年には10%となりました。

しかし重要なのは、ゴールドを売り戻すとその中に消費税が含まれており、消費税を取り戻すことができるということです。それではたとえば1988年より以前にゴールドを買って消費税を払ってない人がそのゴールドを売るとどうなるでしょうか。この人の売値も当然10%の消費税が上乗せされているので、この10%についてはいわゆる「益税」となります。5%の消費税の時に買った人も今売れば10%の消費税がその価格に含まれているということです。そして大事なのは、その消費税の計算は時価、つまり現在の価格をベースにしています。つまりゴールドが1,000円の時に、3%の消費税を払ったらグラムあたり30円です。それを今18,500円税込みで売れば1グラムあたり1,800円近く税金が戻ってくることになり、これも大きな益税と言えます。今後消費税が恒久的に下がることはまずないでしょう。逆に日本の財政状況を考えれば上がっていくと考えるのが自然です。消費税の観点からもゴールドは消費税が10%のうちに買っておく方がお得だと言えるでしょう。

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