【小菅努氏】産金国ランキングのトップ5 金はどこで採れる?
- #貴金属投資の基礎知識
2026年01月21日
いしふくコラムでは、読者の皆様への情報提供の一つとして、2025年より貴金属に関する四方山話や相場解説などを専門家に執筆いただきます。 専門家の深い知見に触れ、貴金属への興味・関心を持っていただければ幸いです。
今回は、マーケットエッジ代表 小菅努氏にコラム「産金国ランキングのトップ5 金はどこで採れる?」を執筆いただきました。

1976年千葉県生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒。商品先物取引・FX会社の営業部、営業本部を経て、同時テロ事件直後のニューヨークに駐在してコモディティ・金融市場の分析を学びながらアナリスト業務を本格化。帰国後は調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社代表に就任。商社、事業法人、金融機関、個人投資家向けのレポート配信業務、各種レポート/コラム執筆、講演などを行う。
産金国ランキングのトップ5 金はどこで採れる?
執筆日:2026/01/19
産金国のトップ5はどの国でしょうか?
金は世界中に流通していますが、鉱山生産はどこで行われているのでしょうか。2024年の世界産金量(データ出所:Metals Focus/World Gold Council)は3,661.0トンです。産金国のランキングは、1位:中国(世界シェア10.4%)、2位:ロシア(同9.0%)、3位:オーストラリア(同7.8%)、4位:カナダ(同5.5%)、5位:米国(同4.3%)の順番です。
地域別のデータによると、最大シェアはアフリカの27.6%で、次いでアジアの18.2%、旧ソ連の16.0%、中南米の14.2%、北米の13.7%、オセアニアの9.4%、欧州の1.0%となっています。
金生産の特徴としては、産地が世界各地に分散していることが挙げられます。プラチナやパラジウムは少数の国でしか鉱脈が確認されていない寡占市場になっていますが、金は世界中で鉱脈の存在が確認されており、生産規模や採算性などを問わなければ、地理的な制約の少ない資源です。こうした点も、世界中で金が流通する要因の一つかもしれません。また、最大生産国の中国でも世界シェアは10%強のため、一ヵ国で供給障害が発生しても、大きな問題にはなりにくい構造になっています。

地域別の金生産動向
アフリカは、過去10年で36.1%の増産です。西アフリカ地区のガーナを中心に、マリ、南アフリカなどの生産規模が大きくなっています。資源ナショナリズムが強いことに加えて、政情も不安定な国が多いといった制約もあります。しかし、各国が外貨獲得のために着実に生産量を伸ばしており、世界の金供給の着実な増産傾向を支援しています。
アジアは、過去10年で5.0%の減産です。中国は世界最大の金消費国であると同時に、最大の産金国でもあります。中国が活発な投資にも拘わらず、近年は生産量が伸び悩んでいます。しかし、政府が金市場の成長・整備に力を入れていることもあり、大規模な生産体制が維持されています。インドネシアも、鉱石の品質低下で一時生産が伸び悩んでいましたが、近年の金価格高騰の影響もあり、再び生産量が上向いています。
旧ソ連は、過去10年で44.8%の増産です。 ロシアが世界第二位の生産国になっています。ウズベキスタン、カザフスタンなど、周辺国でも活発な生産が行われています。ロシアは、寒冷地のため季節ごとのブレが大きいことに加えて、2022年以降はウクライナ戦争に伴う欧米の経済制裁が流通を妨げていますが、生産規模は世界最大級の状態を維持しています。
北米は、カナダが大規模投資で生産量を伸ばしています。ただし、米国は鉱石の品位低下もあり、逆に減産傾向が強くなっています。中南米では、メキシコ、ペルー、ブラジルなど、他の鉱物資源の生産量が豊富な国々で、金も産出しています。ただし、操業トラブルの発生も多く、生産量は伸び悩んでいます。過去10年で北米は5.4%の増産、中南米は10.7%の減産です。
オセアニアは、過去10年で0.2%の減産です。オーストラリア、パプアニューギニアなどで生産されています。近年は、鉱石の品位低下が目立ち、生産量は伸び悩んでいます。
欧州は過去10年で55.2%の増産です。他地域と比較して生産量が少ない状態ですが、これは金鉱脈がないというよりも、古くから金が採掘されてきたことや、環境規制が強い影響によるもので、決して金が採れないわけではありません。
なお世界全体では、過去10年で11.9%の増産です。年平均1.2%のペースで生産量が増え、金市場の拡大に寄与しています。
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