【松本英毅氏】金融の街ニューヨーク
- #貴金属投資の基礎知識
2026年01月28日
いしふくコラムでは、読者の皆様への情報提供の一つとして、2025年より貴金属に関する四方山話や相場解説などを専門家に執筆いただきます。 専門家の深い知見に触れ、貴金属への興味・関心を持っていただければ幸いです。
今回は、よそうかい代表 松本英毅氏にコラム「金融の街ニューヨーク」を執筆いただきました。

会員制米国市場情報サイト「よそうかい.com 」を運営。ニューヨークを拠点に活動し、実際のトレードに役立つ情報提供を身上とする。金融から商品市場まで幅広い知識を有しており、一つの銘柄に捉われることなく総合的な判断を下すことができるのが強み。中でも、1バレル=10ドル時代から追い続けてきた原油市場については造詣が深い。トレード経験を活かした切り口の鋭い分析に定評がある。
金融の街ニューヨーク
執筆日:2026/01/18
金融の街ニューヨーク、大手金融機関も街に溶け込んでいます
今回は金そのものではなくて、現物から先物などのデリバティブ、ETFに至るまで、日々膨大な金に関する取引を行っている金融機関のお話です。ニューヨークは金融の街と言われていますが、街を歩いていても本当にそのことを実感することは多いですね。特に大手銀行は地域への貢献ということで、街の様々なところでスポンサーシップを展開しています。今回は金融機関がニューヨークという街にどれだけ溶け込んでいるのかを、ご紹介したいと思います。
JPモルガン・チェースは、イベントの聖地の大スポンサー
まずは収益力世界一といわれる、JPモルガン・チェース銀行です。この銀行はケミカルバンクが母体となり、1990年代後半にチェース・マンハッタンバンクを買収して母体が出来上がりました。私がニューヨークに来て初めて作った銀行口座は、ケミカルバンクのものでした。金融機関の合併や買収活動の激しさはどこの国でも一緒ですが、まさかここまで大きな銀行になるとは、当時は想像もつかなかったですね。
そのJPモルガン・チェースは、ニューヨークのイベント会場の聖地、マディソン・スクエア・ガーデンの大スポンサーです。コンサート会場としての地位は絶大で、ビリージョエルが毎年定期コンサートを行い、通算150回という記録を打ち立てました。このほか、バスケットボールのニューヨーク・ニックス、アイスホッケーのニューヨーク・レンジャーズが本拠地として使っています。会場内には、チェース・ラウンジという顧客専用のラウンジがあり、口座の保有者なら事前予約をすることで開演前に利用することができます。また、一般の入場口とは別に、チェース・エントランスという入り口があり、公演によってはよりスムーズに入場することができます。世界中のエンターテイナーが目指すニューヨークの中でも、頂点に位置するマディソン・スクエア・ガーデン、やはり世界一の銀行がスポンサーとなるのがふさわしいようですね。
シティバンクがサポートするシェアバイクは、庶民の足としてすっかり定着
お次はニューヨークにおいてJPモルガン・チェースと双璧をなす、シティバンクです。こちらは2013年にブルックリンで運用が開始され、こちらはもうすっかりニューヨーカーの足として定着した感のあるシェアバイク、「シティバイク」の大スポンサーとなっています。システムの開始当初は、自転車がやたら頑丈に作られて重いために、坂を上るのが一苦労だという苦情があったり、多くのステーションが車道の路上駐車のスペースを削って作られたことが反感を買ったりしていましたが、前者の不満は電動アシスト自転車が多く導入されたことで解消に向かいましたし、後者はこのことによって市内を走る自動車の数が減ったとの見方が、返って支持を高める格好となっています。私もちょっとした距離なら地下鉄やタクシーを使うよりも安上がりなので、1ヶ月乗り放題のパスを購入してよく利用しています。さすがに真冬はちょっと気が引けますが、天気の良い日なら本当におすすめのシステムですね。東京や大阪にもあるので利用しようと思ったのですが、料金が高く、地下鉄などで移動するほうが安上がりなので結局はまだ使っていません。
ブライアントパークのスケートリンクは、バンクオブ・アメリカがスポンサー
次は、6アベニューと42丁目の角にあるブライアントパークで冬の間開催される、ウィンター・ビレッジです。ここは中央にアイススケートリンクが設置され、その周りには様々なお店が並んでいます。当初は開催期間も短く、お店もクリスマスショッピングの時期だけだったのですが、近年は期間も延長、飲食店を中心に3月1日まで開かれています。アイススケートを楽しむ人はもちろんですが、その周りの屋外テーブルでは、氷点下の気温の中でも人々がスケートを見ながら食事を楽しんでいます。ニューヨーカーはホントに元気ですね。
ここのスポンサーシップは、バンクオブ・アメリカです。カリフォルニア州で設立されたこの銀行は、JPモルガンシ・チェースやシティバンクに比べるとニューヨークでの知名度はいまひとつでしたが、近年は急速に存在感を強めています。ここのスケートリンクも、元々はシティバンクがスポンサーだったのですが、2013年(シティバイクが始まった年ですね)からはバンクオブ・アメリカに引き継がれ、その後一段と華やかになりました。
最後に、キャピタルワン・バンクもご紹介しましょう。キャピタルワンは、バージニア州に本拠を持ち、首都ワシントンDCなど東海岸を中心にビジネスを展開しています。元々は自動車ローンや住宅ローンの提供が主流でしたが、今は個人向けの銀行業務の拡大にも力を入れています。ここの戦略は、キャピタルワン・カフェというコーヒーショップは街中に展開し、個人顧客にアピールしようというものです。ニューヨークではお世辞にも知名度は高いと言えませんでしたが、ここ1-2年の間にカフェを開店、銀行口座やクレジットカードを持っている顧客に対しては、コーヒーなどの飲み物を半額で提供しています。マンハッタンには5店舗があり、コーヒーが安く飲める上に居心地がいいので、私も結構利用しています。銀行がカフェを運営するなど、思いもよらなかったですが、それだけ地元住民に密着し、知名度と好感度を高めることは、重要なことなのでしょう。
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