【松本英毅氏】イースターは、春を告げる大切な祝日です
- #貴金属投資の基礎知識
2026年04月21日
いしふくコラムでは、読者の皆様への情報提供の一つとして、2025年より貴金属に関する四方山話や相場解説などを専門家に執筆いただきます。 専門家の深い知見に触れ、貴金属への興味・関心を持っていただければ幸いです。
今回は、よそうかい代表 松本英毅氏にコラム「イースターは、春を告げる大切な祝日です」を執筆いただきました。

会員制米国市場情報サイト「よそうかい.com 」を運営。ニューヨークを拠点に活動し、実際のトレードに役立つ情報提供を身上とする。金融から商品市場まで幅広い知識を有しており、一つの銘柄に捉われることなく総合的な判断を下すことができるのが強み。中でも、1バレル=10ドル時代から追い続けてきた原油市場については造詣が深い。トレード経験を活かした切り口の鋭い分析に定評がある。
イースターは、春を告げる大切な祝日です
執筆日:2026/04/18
イースターは、春を告げる大切な祝日です
ニューヨークの4月といえば、やはりイースター(復活祭)でしょう。イエス・キリストの復活を祝う子のお祝日は、キリスト教徒の間ではクリスマスに匹敵するといっても過言ではない、重要な祝日です。正確には春分の日の次の満月の後の日曜日ということなので、月の満ち欠けによっては3月の間にやってくることもあるのですが、ほとんどの場合は4月前半の日曜日になることが多いですね。イースターがくれば、北国のニューヨークにもようやく遅い春が訪れるという感があるのですが、今年は春が遠く、その後も残念ながら冬のような寒い日々がかなりの期間続きました。さてイースターといえば、花と帽子と卵でしょう。カラフルな色を塗った卵を子供たちが探す、エッグハンティングが有名ですが、もう一つ、イースターパレードも外すことはできません。パレードと言っても特に列をなして歩くわけではなく、皆が花をあしらった派手な帽子をかぶって、5番街は50丁目と51丁目の間にあるセント・パトリック大聖堂あたりでたむろするだけという、非常に単純ながら楽しいイベントです。今年のイースターは4月の5日、当日は雨の予報が出ていたのですが、朝一番に見に行ったらかろうじてお天気は持ちこたえてくれました。毎年、よくこれだけ色々と工夫を凝らした帽子を作るものだと、いつも感心して見ているのですが、あいにくの肌寒い天気の中にもかかわらず、多くの人が思い思いの帽子をかぶって参加していました。
金相場の動きにもやや変化が見られるようになりました
4月の金相場は、ここまで刻一刻と変化するイラン情勢に振り回される形で、不安定な上下を繰り返す展開が続いています。前月のコラムでも指摘したよう、現在の金市場は安全資産としてではなく、株や原油など他の商品市場と同様、値が上下に大きく振れるリスク資産と見做されている部分が大きく、情勢緊迫に対する懸念が高まる時には株価の下落と共に売りが膨らみ、戦争終結に対する期待が高まる局面では株が買い進まれるのにつれて値を切り上げるというパターンが多く見られるようになっているようです。月の見方をすれば、ドルの動きに振り回されているとも言うことが出来そうです。現時点で市場が安全資産として認識し、イラン戦争に対する懸念が高まった際に資金が向かうのは、米国債でも金でも、日本円やスイスフランでもなく、ドルです。いわゆるリスク・オフの際にはドルに買いが集まり、それを嫌気する形で金には売りが膨らむ、そしてリスク・オンの状態になったら反対にドル安が進む中で金もしっかりと上昇するという状況が続いています。
もちろん、安全資産としての金に対する需要が、完全になくなったわけではありません。安全資産に絶対というものはなく、市場はその時々の事情によって先行きに不安が高まる時に資金を逃避させる市場を決めているのが実際のところです。ドルがいつまでも安全資産としてあり続けることも考えにくいところ、インフレの高止まりや金利の更なる上昇によって米景気が大幅に減速するとの懸念が浮上するようになってきた際には、株価の下落につれてドルにも売りが膨らむようになる可能性も、十分に高いと考えておいたほうがよいでしょう。その際には安全資産としての金が復活することがあっても、何ら不思議ではないと思われます。
やはり鍵を握るのは、イラン情勢です
ではこの先イラン情勢は、一体どうなるのでしょうか。現在はトランプ大統領のSNSに対する投稿に一喜一憂、極めて不透明な状態が続いています。大統領が言うように、この先米国とイランの停戦協議が進み戦争が早期に終結するのか、それともお互いの主張が大きく食い違っている中で交渉が決裂、戦闘が再開するのかは、誰にも分からないというのが正直なところでしょう。このコラムがサイトに掲載されるころには、また大きく状況が変化していることも十分にあり得るというのが現状です。
様々な情報が錯綜している中でも、両者共にできれば戦闘を再開させたくないというのは、どうやら間違いなさそうです。これまでの米国の攻撃によって疲弊したイランはもちろん、米国も戦争を背景としたエネルギー価格の上昇や、それに伴うコストの上昇によるインフレ再燃に対する懸念が高まる中で、トランプ政権に対する批判が高まっています。どちらもこれ以上戦闘を続けることに、メリットがあるとは思えません。もっとも戦争というものは、必ずしも損得勘定だけで理性的に物事が進展していくわけではありません。停戦協議を進めている中で、現在両社の主張が一番食い違っているのは、イランの核開発の停止と、ホルムズ海峡の閉鎖解除、そしてイランの復興費用をどのように捻出するのかでしょう。この点においてはどちらも、自己の主張を全て押し通すことは不可能、大幅な譲歩を強いられるのは必至の状況です。特にトランプ大統領が戦争終結のためにどの部分で大胆な妥協をするのかが、ポイントとなる可能性は高そうです。個人的な見方ではありますが、米国がホルムズ海峡を通過する中東からの石油供給にほとんど依存していないことを考えれば、核開発を停止する見返りとして、イランがホルムズ海峡の管理を継続、その通行料を復興資金に充てるという形で話がまとまる可能性がかなり高いと思うのですが、実際のところはどうなるのでしょう。いずれにしても、解決にはこの先かなりの時間を要することは間違いなさそうです。
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