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いしふくコラム

【小菅努氏】金はなぜ価値があるのか? ~黄金色の話~

  • #貴金属投資の基礎知識

2025年04月16日

いしふくコラムでは、読者の皆様への情報提供の一つとして、2025年より貴金属に関する四方山話や相場解説などを専門家に執筆いただきます。 専門家の深い知見に触れ、貴金属への興味・関心を持っていただければ幸いです。

今回は、マーケットエッジ代表 小菅努氏にコラム「金はなぜ価値があるのか? ~黄金色の話~」を執筆いただきました。

金はなぜ価値があるのか? ~黄金色の話~

執筆日:2025/04/11

黄金色の特別な意味

金の価値の源泉について、「黄金色(こがねいろ、おうごんいろ)」が持つ意味を解説します。「比重の話」に続いて、なぜ人類は「金に価値がある」と考えるのかを考えてみましょう。

金は英語で「gold(ゴールド)」と呼ばれますが、goldの語源は輝きを意味するサンスクリット語の「ghel(ゲル)」と言われています。また、金の元素記号「Au」は、ラテン語で太陽の輝きを意味する「Aurum」に由来しており、金の物質特性として黄金色は古くから重視されてきました。

子供のころ、折り紙で金色を見たことがある人は多いと思います。このため、金の色、輝きはイメージしやすいと思いますが、折り紙は銀色のアルミ箔に色を付けただけのため、実際の黄金色とはかなり違います。金の発するまぶしさは、本物の金でしか分かりません。金は、波長が約580mmより長い光に対して、特に反射率が高くなります。このため、赤、橙、黄などの光を強く反射するため、これが黄金色として認識されます。

GOLD

美しさ+文化的意味を持つ黄金色

黄金色は、歴史的、文化的な観点でも重要な意味を持っています。古代文明では、黄金色は単純な美しさのみならず、富や権力の象徴としても広く認識されていました。例えば、古代エジプトのファラオ(王)は、生前そして死後でさえも金の宝飾品を身に着けました。黄金色は、その神聖な地位を示す象徴だった訳です。

仏教では、仏の肉身は黄金色と定められています。奈良東大寺の大仏などの仏像も、作られた当時は黄金色で輝いていたものが多いのはそのためです。単純な美しさだけではなく、仏の教えの尊さを、黄金色の輝きで例えようとしていました。ただの色彩ではなく、地上を照らす聖なる光が、黄金色で象徴されていました。

ネイティブアメリカンのことわざに「金は太陽の汗」というものがあります(ちなみに「銀は月の涙だ」もあります)。金の輝きと太陽光の輝きを同一視し、金の美しさを表現するものです。生命の源とも言える太陽神の信仰は日本を含めた世界各地にありますが、黄金色が太陽光をイメージさせることも、人類が金に価値がある根拠の一つかもしれません。

ギリシャ、中国、インドなど世界各地の古代文明で黄金色には特別な意味が見いだされていましたが、これは偶然ではないでしょう。黄金色は人類共通の魅力と言えそうです。

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富だけではない黄金色の意味

色彩心理学の分野だと、黄金色は「富、繁栄」、「成功、勝利」、「知恵、知識」、「楽観、幸福」、「高級、威厳」、「神、霊、王」、「自信、魅力」といったイメージを象徴するものと言われることが多いようです。

資産運用の視点だと、どうしても「富、繁栄」がイメージされやすくなりますが、成功や幸福の象徴として金を保有するといった選択も十分にあるでしょう。黄金色にどのような価値を見出すのかは、金地金やコインを購入する人の自由です。金価格が上がるか下がるかの視点も重要ですが、何か仕事で大きな成果を上げた成功の記念に、節目の年齢を迎えた幸福を祝うため、金を購入するといった楽しみ方もあります。

もちろん、単純に黄金色の美しさを楽しむこともできます。宝飾品は加工のしやすい純度75%の「18金(K18)」を使うのが一般的ですが、地金やコインは純度99.99%の純金(24金、K24)です。地金やコインには、金宝飾品とは異なる黄金色の魅力があります。

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